オーナーチェンジで物件を売却する理由は様々で、単に高齢に伴い引退する場合や、さらに利回りのいい物件に乗り換えたい、自己破産などがあります。 これらの理由による売却は問題ありませんが、毎月安定した家賃収入があったとしても手放したい理由が伴う売却は一筋縄ではいかないでしょう。 このようなケースには以下のような売却理由が挙げられます。
近隣住民を怒鳴りつけたり、暴れたり、入居者同士でのトラブルを引き起こすような問題行動を起こす入居者がいるため、関係を断ちたい。
長年住んでいる場合など極端に部屋の状態が悪くなってしまい、水回りや壁の張り替えなど修繕の費用が高額になり、実質利回りが悪い場合。
高齢者はすでに退職されている方が多いため、家賃滞納の危険性が高い。 また親族との繋がりがほとんどない場合も多く、家賃滞納などトラブルがあった場合の対応が通常の借主より困難になるうえに、孤独死の危険性もある。
3の高齢者でも挙げましたが、家賃の滞納は長期化すればとても面倒な問題です。 2か月以上だと保険会社からも受け取れず、家賃が入ってこないにも関わらず家賃の課税はかかります。また強制退去にも立ち退き料が発生したり、弁護士費用が必要になることもあります。
これらの理由がある場合、通常の価格での売却は難しいため、価格はある程度低く設定する必要があります。 また、入居者に退去してもらってから売却するという選択肢もあります。 ただし後者は現実的にはとても困難な方法となります。 期間を定めそれ以降は更新しない「定期借家契約」の場合や、話し合いで快く退去に応じてくれる入居者であれば問題はありません。 しかし、借主が居続けることを主張した場合、自主的な退去を待つ以外に方法はありません。 通常の「一般借家契約」の場合、借主に契約上の問題がなければ更新は可能なため、借地借家法により貸主側が更新を拒絶する場合、更新できない正当事由が必要となります。 もちろん、「売りたいから」といった個人的な理由は正当事由とはなりません。 このように現在の法律では借主より貸主の権利の方が弱い為、具体的な対処法がありません。 そのため入居者に退去を了承してもらうためには立ち退き料や引っ越し代を貸主側で負担する必要がでてきてしまいます。
では、このような手間がかかる方法以外に売却することはできないのでしょうか。 実は、もう一つ選択肢があります。 それは入居者のいる状態でそのまま物件を、不動産業者に買い取ってもらう方法です。
不動産業者に買い取ってもらえば、入居者を退去させる手間などは一切ありません。 ただし、現状が低家賃の場合、売却可能価格が安くなる可能性もありますので、予めご理解いただく必要があります。
問題のある入居者が少数であったり、利回りのいい物件であればオーナーチェンジ物件として買い手がつく可能性もありますが、マイナス要因が多い場合、不動産業者に買い取ってもらう、というのも視野に入れてみてはいかがでしょうか。
・オーナーチェンジ物件として売却する場合、入居者の状態について明記する必要があります。
・買い手から要求があった場合、支払状況についての通帳を提示する必要があります。
・貸主の個人的な理由で退去してもらう際は、「正当事由」が必要となります。
売却事例近日公開