2021/12/10
特殊な業種で使用していた物件を売却したい
不動産売却の対象となる物件は、個人の居住用のものだけではありません。
ホテルやテナントなどの事業用の物件から、社宅や保養所などの施設まで多岐にわたります。
こういった規模・業種の不動産は個人の買主を見つけることが難しく、売却の悩みを抱える方は少なくありません。
代表的な例では以下のようなものがあります。
1.ホテル・旅館の売却
経営を行っていたホテルを売却したい。営業を行っていない旅館を相続したので売却したい。
2.テナントの売却
空きテナントを売却したい。賃料滞納者のいるテナントビルを売却したい。
3.社宅・保養所の売却
法人の利用がなくなり、遊休化した社宅・保養所を売却したい。
不動産の売却
先に述べた通り、法人の事業用として利用される不動産の多くは、その規模などから、そのまま個人向けに売ることは難しいと言えます。
事業用不動産を売却する場合、投資家や法人に売却する方法がまず考えられます。
投資家に売却するケースでは、不動産をリースして賃料を得る目的で売買される為、物件の「利回り」が買主の判断の基準のひとつになります。
利回りとは、物件価格に対する、その物件を利用して得られる収益の割合のことで、立地条件・建物の修繕状況などを考慮して算出されます。
一般的に、高利回りの物件ほど売却価格が高く、売買契約の成約までの期間が短い傾向があります。
ただし、売却にあたって、修繕の状況によっては、物件の利回りの確保のために内装・外装ともに大規模なリフォームや整備が必要となり、その修繕費用が発生することがあるので注意が必要です。
事業用地として法人に売却する場合も同様に、立地条件や建物の修繕状況がポイントとなります。
特殊な業種で使用していた物件
また、売却する建物がそのままの使用に耐えられないような状態で、修繕費用が大きな負担となるような場合、建物と抱き合わせの販売で成約に至ることは難しく、建物を取り壊して売却する方法が挙げられます。
一度更地の状態に整地した後、分譲宅地として売却します。土地の規模に合わせた区分分けや、そのまま事業用地としての売却も可能であるといったメリットがあります。
特に社宅など、居住用の物件として利用されていた土地は、事業者向けにマンション用地として売却できる可能性があります。
更地にして売却する際の注意点は、売却前に建物の解体費用が発生し、売却時は土地のみの価格で査定されてしまう点があります。
不動産の買取
リフォーム費用や建物の解体費用の捻出が経済的に難しいケースでは、不動産業者による買取を依頼する方法があります。
直接買取のため、建物のリフォーム・解体費用が発生することがなく、短期間で現金化することが出来ます。
ただし、買取の査定価格に建物の解体費用分が含まれ、通常の売却時の相場よりも低い価格での売却になる可能性があります。
特殊な業種で使用していた不動産を売却する注意点
事業用不動産や施設の売却では、その不動産が現在も使用されているか、事業が行われているかどうかに注意する必要があります。
社宅やテナントビルでは、現在も賃貸契約を行っている借主がいる場合、立ち退きも含めて契約更新についての話し合いが必要となります。
契約にかかる問題については、プロによる判断が必要です。まずは不動産業者への売却の相談を行い、場合によっては弁護士が必要となることもあるでしょう。